東京都杉並区西荻窪/BLINK1階の飲食店
「BISTRO EIGHT」(ビストロ エイト)

BISTRO EIGHTは気軽に飲んで食べれられるフレンチベースのカジュアルダイニングです。飲食店の開業は、最近は居抜きによるものが多数を占めていますが、今回は建物が新築ということもあって、0からの内装設計となりました。

ランチ開店前

道路をひっきりなしに人が通りますが、みんなお店を覗いていきます。新しいお店は、皆さん気になるようですね。BISTRO EIGHT 内観

椅子とテーブル

椅子やテーブルの天板は大阪の「木枠屋」さんに頼んだオーダーメイド品です。カウンター用のハイチェアも製作品でオーク材でできてます。脚はロートアイアンではなくスチールですが、見た目のスリムさとは裏腹に、かなりしっかりしていて、むしろ重いです。軽すぎると人が座ったり立ったりするたびに音が出てうるさくなるので、このぐらいの重量があっても良いと思います。客席としては絶対的な安定感があります。
フローリングはクマルという無垢材です。イペのような高級素材より安いですが、耐久性が高く木目がきれいなハードウッドです。自然塗料の中では抜群の性能を誇る保護塗料を塗装しています。巾木やカウンターも塗っています。排煙告示を適用のため、腰壁はホワイト塗装の不燃木パネルです。
BISTRO EIGHT ナラ材の座面と黒いスチール脚のイス

ライティング

ライティングダクトはタモ集成材をH型につくり、下側にライティングダクトを2系統、上側にLED蛍光灯を仕込んであります。2系統なのはスポットライトとペンダントライトでそれぞれに調光するためです。昼と夜の雰囲気を変えたいというご要望があったため上側のLEDによる間接光を組み合わせて自由に光環境を調整できるようにしました。
BISTRO EIGHT ラインダクトからのスポット照明

内装工事完了時

このビルで一番大きな窓です。この窓に合わせて小物や商品を並べるショーケースの役割を果たします。
BISTRO EIGHT 入口前の展示スペース

プレオープン:レセプション

ごちゃごちゃしていますが、いろいろなことが手探りなので店内もスタッフも混乱を極めています。左手の棚もタモの製作品でレジ台と収納になっています。
BISTRO EIGHT オープン前の厨房風景
オーナーの僚子さんとシェフ・長谷川氏

ランチ

ランチを頂きました。前菜、スープ、ライスorパン、メインディッシュ、飲み物がついて1500円。立地と内容(美味しさとボリューム)と過ごす時間の満足度を考えるといいかもしれませんね。基本的にフレンチがベースとのことですが、ビストロとしての柔軟なメニュー構成となっています。シェフは世界中の料理を食べ歩き、フレンチとの融合系を目指しています。BISTRO EIGHT ランチの前菜

和牛ハンバーグのオニオンソースがけ
BISTRO EIGHT ランチの和牛ハンバーグ

メインディッシュは種類を選べます。こちらはかなり大きな鶏肉をカリカリに焼いてます。マッシュポテトは幾重にも仕込みが入っており、味わい深い仕上がりです。
BLINK カリカリに焼いた鶏肉のランチ 

夜の部の開店を控えて打ち合わせ中です。
BISTRO EIGHT 夜の部オープン前の夜の外観

夜の部 開店前

だんだん店内が慌ただしくなってきます。
上のボトル棚はタモ集成材30mmで、上下に溝を入れて極薄のLEDライン照明を埋め込んであります。カウンター上とボトルをバックから照らします。コストダウンでライン照明を無くす話も出ましたが、店の奥が暗いと表通りから見た人に沈んだ印象を与えてしまうので、調光機能を無くして組み込みましょう、という流れでライン照明の設置となりました。ちなみにカウンターはBLINKの窓枠と同じ70mmのタモカウンターです。BISTRO EIGHT 夜の部開店前の店内風景

シェフはまだ30歳だというのにすごい技量です。西麻布の有名フレンチレストランで経験を積んでこられたとか。爆速でテキパキ仕込みを進めています。
BISTRO EIGHT シェフの仕込み風景

狭い厨房内に考えられる限りの設備と収納を入れました。奥の中央の機械はスチームコンベクション(スチコン)。上部は開放して蒸気を逃します。スチコンは最近の流行で小さな飲食店でも取り入れ始めています。単に加熱して調理するだけだと水分が抜けてしまうわけですが、加熱しながら水分(スチーム)を与え続けることで、ジューシーに仕上がるというものです。他にも冷蔵庫、冷凍冷蔵庫、製氷機、浄水器、オーブン付きコンロ、調理台、サーバー台、2槽シンク、手洗いなどなど、この規模の飲食店としてはフルスペックです。BISTRO EIGHT シェフの仕込み風景2

サービス側も慌ただしくなってきました。メインの黒板を書き終えたら路面に出すA看板も書き始めます。「試作品」「メニュー」から「値段設定」「お酒のバリエーション」「スタッフのシフト調整」「メディア発信」など飲食店経営は大変です。ましてや初めてのお店ともなればなおさらです。
※A看板:建てた時の横面がAの文字に似ているのでこう呼びます。
BISTRO EIGHT A看板にチョークでメニューを書く
臨時の応援スタッフの八田さん。器用にイラストもチョークで描いてらっしゃいます。

夜の部開店直前

ハロウィンに合わせてメニュー黒板も凝っています。
BISTRO EIGHT 夜の部オープン前の内観

ディナータイムに頂いたワインとオードブル、そしてパスタ。
何を食べても、ただただ美味しいです。
BISTRO EIGHT ディナーの前菜
BISTRO EIGHT ディナーのパスタ

番外編

トイレのドアは製作の変則折れ戸。BISTRO EIGHTではビルの共用階段の下をトイレにしていて、一部が斜め天井なので引き戸が採用できませんでした。開き戸にしてしまうと、お店の面積にゆとりがない場合、他のお客さんや料理を持ったスタッフに当たってしまうかもしれません。

前に立ってこのドアを開けると不思議な動き方です。体を後ろや右側に動かさなくてもドアを開くことができます。BISTRO EIGHTに行かれた際は是非お試しください。
BISTRO EIGHT トイレの変則折れ戸

Photo:Rio Kurosawa

BISTRO EIGHT

住所 東京都杉並区西荻南3-16-8 BLINK西荻窪
電話番号 03-5941-6948
営業時間 ランチ  11:30-15:00(LO14:30)
ディナー 17:30-22:00(LO21:30)
定休日 水曜日

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JR西荻窪駅から徒歩3分の立地に建つテナントビルの計画。1階と4階の店舗内装も手がけました。窓の構成によって、活気や楽しさを生み出す建築を目指しました。