杉並区桃井の二世帯住宅 「泡の家」

敷地状況と課題

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地主さんが土地を切り売りしていった最後に残った土地。四方すべてが住宅に囲まれた密集地です。
大通りから50mほど奥まったところにある変則形状敷地で、途中の曲がり角は車も曲がれず、解体も上棟もすべて手運びとなりました。密集地においてどのように近隣と距離を取り、光や風などの環境要素の取り込んで、開放的な住まいを作るのか?ここが最大の課題でした。


無数の部屋の連なりを泡に見立て、不定形な敷地条件にも自然にフィットする構成になっています。この構成によって壁が幾重にも仕切られることになり、2世帯間の音を切り離すことができます。

つまりプランだけでなく、音も完全に分離し、両世帯の独立性を高めてあります。
すると新たに、どうやってお互いの見守りやコミュニケーションがスムーズになるように作るのか? ということが、設計上の2つ目の課題が浮上してきます。

完全分離型の二世帯住宅について

完全分離型なので玄関は2つです。この形式の強みは、将来計画にあります。
親御さん世帯が亡くなられた場合やお子さん世帯の転勤など、空き家にしておくのはもったいないということで賃貸に回すケースも有ります。そういう不確定要素が多い場合は、完全分離型も良い選択肢だと思います。計画時は、ちょっと口には出しにくいことも敢えて踏み込んでお聞きします。大事なことですから。
さて、完全分離型で注意が必要なのは、両世帯が区画分けされているので、先程もお伝えしたように、お互いの見守り(親←→子←→孫)やコミュニケーションがスムーズになるよう、プランニング段階から注意深く設計する必要があります。ここをおろそかにしたら二世帯住宅にした意味がありません

   
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玄関の目の前が納戸です  
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主寝室
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階段は手摺の支えとなるスチールが目立たないように、角度を付けて設置しています。 2階の洋室から廊下をまたいでリビングまで一直線に視線と風が通ります。
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猫階段を設置。PSヒーターと太陽の熱でひなたぼっこする猫が目に浮かびます。 猫が猫階段と家の階段を使って、家の中を回遊できます。
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リビング、ダイニングは開放的です。
スペースとしては実は9畳ぐらいしかありません。
しかしながら中庭と空をうまく連結させれば、こうした広がりを作ることが出来ます。
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変わった形の扉でしょう?
子どもがまだ小さいのでキッチンに入って来れないようにしています。
高さが半分の扉は動かすときにガタつくので横長にして安定した開閉を実現しています。
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キッチンの奥にパントリーを設けています。ゴミも収納できるスペースとなっています。背面カウンターの上にコンセントと窓を設け、電子ジャーの蒸気を逃します。
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引っ越ししたら、子供の転落防止用のネットを張ります。
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三角形の屋根裏を利用した納戸 左下に見えるのは「猫扉」付のトイレ
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濡れたバスタオルを掛けておけるPSヒーター 洗面台
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御両親世帯の玄関  
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玄関の内側で段差を作って、玄関の外の段差を無くしました。こうすることで、玄関前のアプローチで子どもが三輪車で自由に遊び回れます。

3枚の建具を開ききると、道路側から中庭まで風が通り抜ける空間になります。
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アプローチ側は日差しの入る縁側のような空間になっています。
子供が帰ってきたら、ちょっと立ち寄ったり声を掛け合ったりするような空間にしています。
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2階の和室は一日中陽が当たります。
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泡の家 (77)この部屋は4畳ぐらい。
個室は小さい部屋にしてその分、みんなで使う部屋を広くしたほうが全体として良い結果を生むように思います。

二世帯住宅の戸境の連絡通路。
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中庭を通じてお互いの家が向かい合うように建てれば、窓の明かりによって親世帯を気遣うことが出来ます。 アプローチの土間コンは、墨汁を練り込み、継ぎ目のない平滑な面にしています。
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3階にお風呂があり、遠方から覗かれないように、視線制御フィルムを貼っています。
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密集地なのに近隣の視線が全く気になりません。
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「泡の家」データシート

竣工年:2013年

意匠設計/構造設計・監理:株式会社VIT (旧・黒澤亮建築設計事務所)
主要用途:二世帯住宅(完全分離型)
敷地面積:143.52m2(43.41坪)
建築面積:79.42m2 (24.02坪)
建ぺい率:55.34% 
延床面積:179.38m2(54.26坪)
1階:72.63m2 (21.97坪)
2階:76.99m2 (23.29坪)
3階:29.76m2 (9.00坪)
容積率 :124.99%
規模 :木造3階建て(在来工法)

Photo : Ishii Atelier