神奈川県相模原市の倉庫 [2017年] 「Cling」
この倉庫はある企業様の敷地内に増築した部品倉庫です。
一辺が14.4mの正方形プランで約200m2あります。
倉庫はそっけない無味乾燥な表情になりがちです。また、建物の性質上やむを得ないのでしょうけど、風化とともにずさんな扱いになりがちです。このような建物にも人や環境に寄り添うようなニュアンスを持たせたいという想いがありました。
緩やかに勾配のある敷地形状だったので、この条件を利用してみました。
外壁も屋根も銀色でキリッとしている割には「もったり」と地面にへばりついているような、ユーモラスでちょっと間の抜けた佇まいが出るようにしました。社屋の増築棟として、かわいい犬のように寄り添うニュアンスにしたかったのです。(すぐ脇に大きな社屋ビルが建っています。)
屋根は水勾配に従って右側に落ちていきますが、敷地は左側に下がっているので、外壁板金の下端を斜めにして基礎立上りの見え方が極力小さくなるようにしました。
外周は100角、内部は60角の角パイプを使っています。倉庫の場合、内部の荷物の置き方を検証して、柱を配置しても問題にならないようであれば、柱を入れたほうがいいです。無理に無柱空間にしようとするとコストが嵩みます。柱を無理のないスパンで入れることで柱も梁も最小限で済ませることができます。基本的にはスチールラックを並べる使い方だったので柱が問題にならなかったため、このような方法を選択しました。