東京都西東京市の戸建て住宅 [2011年]
白銀というのは金属の銀のことや色合いのことではなく、白銀比の白銀です。西洋的な黄金比ではなく、日本的なプロポーションによる柔和な建築を目指しました。
新築当初は3人でしたが、結果的に4人家族のための76㎡弱の家となりました。
旗竿上の敷地だったので、手前に将来的に家が建つことがほぼ確実だったため、
それを前提とした計画としました。
裏手からの外観
裏手のお宅が計画地から離した建て方をしていたことを利用し、
裏手の庭に面した方向にバルコニーを設けました。
用途地域が第一種低層住居専用地域なので、
写真の左手に見える建築中のお宅の屋根も高度斜線がかかります。
従って、この位置にメインの空間を持ってくれば、一年中日当たりが確保出ると考えました。
玄関ホール
シューズインクローク
子供部屋
子供部屋はあえて小さく作っていますが、ベッドや勉強机など将来的な配置を考慮した寸法設定にしてあります。
1階廊下
メインの空間と廊下は質の高いナラフローリングとし、
子供部屋のフローリングと分けて、コスト配分にメリハリを付けています。
キッチン
奥様と何度もやりとして検討したキッチンスペース。
2階リビングタイプなので、パントリー部に洗濯機スペースがあります。
キッチンからリビングへの接続。
キッチンの向かいがバルコニーです。
リビング
壁と天井は珪藻土を使っています。
フローリングの赤味が太陽光を反射して、珪藻土の空間がほんのり色づいています。
奥に見える格子戸は、窓を開けておくと、視線を遮りつつも風が通ります。
トップライトの位置にも気をつかい、お隣の高い木が見えるようにしました。
右手の机はパソコンスペース。
大きな空間でテレビを見たり、パソコンをしたり、本を読んだり、食事をしたり・・・
思い思いにすごせるような開放感を作りました。
勾配の屋根を利用して、ロフトを作りました。
ロフト内で洗濯物を目立たない位置で陰干しできるような、
収納式のワイヤーを設置しています。
計画当初から写真右手奥には置き畳を置こうという話がありました。
畳に寝転がった時、枕元に風が通るよう、窓を設置しています。
将来的にお隣が建つことがほぼ確実なので、大きな窓は設けていません。
将来的におこる変化をあらかじめ見越した上で計画を進めました。
ロフトの階段から
静かな感じの家ですが、ここだけはダイナミックな空間を感じ取れます。
ロフト
娘さんのお気に入りのスペース。
この手摺には、お子さんが大きくなるまで転落防止ネットを貼ります。
丸いお月様のようなFLOSのGLO-BALLという照明を入れました。
夜になり、それぞれ必要な場所に入れた窓が不思議なリズム感で灯りました。
Photo : Ishii Atelier