登山用品を手に取るとき、人はその背景にある「山」や「自然」を無意識のうちに思い描いているはずです。その道具が使われる風景や時間、身体感覚までを想起しながら、人は商品を選んでいきます。
この計画は、そうした 購買に至るまでの想起や心理の流れそのものを、空間として立ち上げる 試みです。
自社ビルの老朽化を機に計画された本社ビルですが、単なる建て替えではなく、販売戦略と建築を一体として再構築することが求められました。
各階の構成
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奥に行くほど天井がせり上がり、斜めの壁面に巨大プロジェクターが投影されます。1階にはメインとなる商品が点在しており、主にプレゼンスペースとして活用します。険しい山を想起させるダイナミックな空間と連動してブランドの確立、及び販売に結びつけていきます。
道行く人々が店舗の奥深くまで見通せるような、シアターのような構成になっています。
斜めに切れた床から地下の店舗が見えます。
雪山のクレバスを想起させるような空間形状で、店の構成からしてお客様をその気にさせるという意図です。地下には商品が高密度に並んでおり、ストックルームとしての役割も持っています。店舗が休日の際も道行く人たちが興味を持ってのぞき込めるような構成にしました。下を覗くには店に近づかなくてはなりません。近づけば、1階のメイン商品にも自然に目が行きます。
自社製品をただ並べるのではなく、来訪者がブランドのストーリーに入り込み、回遊しながら体験する動線によって、単なる物販ではない「体験そのもの」を建築空間にしています。
2階の会議室。
1階の斜めの天井に沿う形で床が持ち上がっており、
種々の会議やプレゼンテーション、全国の店舗の研修会などに使われます。
屋上には木や芝生を配置。
ピクニックのような感覚で、ランチを楽しめます。
登山グッズメーカーですから、自然好きの社員さんが多いのです。
お休みの日になると、足繁く山に通うような人達ばかりです。










