自然は豊か。
しかし、街としての手がかりは少ない。
つくば市の周辺には、のどかな田園風景が広がっています。一方で、歴史的な街並みや、文化的な文脈が強く立ち上がっている場所は多くありません。
そのような環境の中では、住まいは単に風景の一部になるのではなく、空気感そのものをつくる存在になる必要があると考えました。
本案では、建築の外周をできるだけ薄く、軽やかな皮膜として成立させることを目指しています。
そのために想定したのが、軽量で高い剛性を持ち、断熱性能にも優れたハニカム構造のパネルです。
ハニカム構造は、面としての強さだけでなく、
面外方向の鉛直力にも耐える特性を持っています。
実際に、航空機や戦闘機の構造材としても用いられてきました。
現在でも、航空機分野ではアルミ合金のハニカムコアが採用されています。
こうした素材特性を建築に応用することで、従来の壁とは異なる「薄くシャープな外皮」を成立させることができます。
重さや厚みを感じさせない外周があることで、内部には田園の中にふわりと浮かぶような、軽やかな気配が生まれます。
薄い皮膜に包まれた空間は、
周囲の風景を取り込むというよりも、光や空気そのものを切り取り、
室内に留めるような感覚をもたらします。
のどかな田園の中に、シャボン玉が静かに浮かんでいるような住空間。
それが、この住宅で目指したイメージです。
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