アルセコ 2(現場見学・施工性)

アルセコ(alsecco)に決定するまではいろんな外壁材を検討しました。
弊社は断熱材のサンプルだらけです。(笑

その中で、アルセコに興味が出てきたこともあり、北州さんにお願いして現場を案内していただきました。ちょうどロックウールを貼っている真っ最中の現場です。

知識として材料を知っているだけではダメだから、実際にカットしたり接着剤を塗らせてもらいました。感触を確かめつつ、施工体験しました。ベテランの職人さんならいろいろ細かく気を使われるポイントがあると思いますが、塗りの作業としては難しくないです。「塗り」より壁を貫通しているスリーブなどの特殊な部位のカットの方が難しいと思います。

裏にたっぷりと「くしゴテ」で接着剤を塗ります。
立てかけるとロックウールがやんわりとたわむぐらいの柔らかさです。
密度は75kg/m3

日本製のロックウールもあり、様々な密度の商品を試しました。80、120、150、200kg/m3なんていう高密度なロックウールもあります。200kg/m3ともなると結構硬いです。

外壁に使うなら硬い方が頑丈で良いのでは?と思っていたのですが、この柔らかさあっての施工性だなと思いました。うまい具合にしなって、設置する上での「遊び」があることが効いています。

ちなみにロックウールというのは、不思議なことに密度が75kg/m3も200kg/m3もそこまで断熱性能が変わりません。面白いですね。
断熱性能だけでなく、コスト、施工性の観点からも75kg/m3が良く、しかも適度なクッション性によって地震の揺れを吸収できるので、この密度になっているとのこと。

で、こうやってずんずんと石を積み重ねるように貼っていきます。(というか、そもそも石だし。。。)

自宅のベースレースです。

建物の土台部にベースレールを設置してからアルセコを貼り始めるのですが、ここを水平にすることが重要です。そうしないと、窓の下枠や屋根との取合で並行にならず、変な納まりになってしまいます。

建物の角部は交互に重ねるのが決まりです。このルールはクラック防止のために厳密に決まっているそうです。

上記の写真をよく見ると、ロックウールの繊維が壁に対して垂直に走っています。日本製のロックウールは繊維が壁に平行になっているんですが、作り方が違うんですね。壁に垂直に繊維が走ることで、外壁面に圧がかかっても潰れにくいそうです。これは実際に押し比べてみると、違いがわかります。

こちらは硬質発泡スチロールで「ドステバキューブ」というものです。このように、配線の取り出しや、重量物の下地として使います。

へー、そういう部材もあるのか~、で納得してはいけません。

ここで重要なのは、下地として機能するだけでなく、ロックウールの断熱性能とほぼ同じに揃えられているというところが大事です。外皮性能に影響を及ぼしません。つまり「熱橋にならない下地」というわけです。

設置するものに合わせて、ドステバキューブをうまく使っていきます。


こんな具合で、実際に目で見て確かめて、
「よし!アルセコにしよう!」って思ったのでした。

もちろん並行して、透湿性や結露を計算で確認した上でのことです。