大気汚染の現在 (室内空気とフィルター)

小さいお子さんがいらっしゃる家庭ではなおのこと、室内の空気がどのぐらいきれいなのか気になりますね。私は家族がちょっと咳をしただけで、すごく焦ります。

各御家庭で、空気清浄機とかフィルターとか、マスクとかいろいろ気を使われていると思います。じゃあ実際のところ、家に取り込む外気はどのぐらい汚れているのか?


まずは弊社VITのある東京都練馬区から、大気の汚染具合を見てみます。(2025年1月22日14:00)

汚染指数は38で「良い」となっています。
きれいな空気に見えるかもしれませんが、毎日こんなにきれいなわけではありません。ずっと観察していると、数値が跳ね上がった日もありました。結構汚れている日もあるんです。

大陸からの飛来もあると思いますが、例えば地域の火災など、細かなファクターも関係しているようです。

AQIは大気汚染の指標です。(World Air Quality Indexプロジェクト)
全世界の25万箇所以上に大気質監視ステーションが設置され、1時間ごとのデータが集約されています。

練馬区の周りの地域もきれいですね。

さらに、範囲を広げます。

もっと範囲を広げていくと、、、韓国、中国の汚染度が気になりますね。ちなみに数ヶ月観察してきましたが、日本は概ねきれいです。この日は九州がちょっと、、、。

緑 → 黄 → オレンジ → 赤 → 紫 → 茶
の順番に汚染度が上がり、茶色は「すべての人が屋外活動を中止する必要がある」レベルだと書かれています。

韓国、中国、タイ、インドの汚染が激しいです。
大丈夫だろうか?と心配になってしまう濃度です。紫や茶色がちらほら。。。

範囲を広げていくと、日本でも赤が突然出現したり消えたりするので、完全な精度があるわけではないようです。25万箇所からのデータをリアルタイムで集約しているので、仕方ないのかもしれません。でも、傾向を大まかに掴めれば、少々の誤差は問題ないでしょう。

ヨーロッパの空気の汚染度が高い。。。
環境先進国だったのでは、、、
北欧はきれいですね。

アメリカは概ね全体的にきれいです。

オーストラリア、ニュージーランドはクリーンそのもの。

こんなふうにリアルタイムで世界中の汚染度のランキングが表示されています。刻一刻と数値が変化していきます。もちろん環境センサーを設置していない国もあるので、すべての国のランキングというわけではないようです。

ここでは温度、湿度、風速、雨量だけでなく、
・PM2.5(微小粒子状物質)
・PM10(粗大粒子状物質)
・O3(オゾン)
・NO2(二酸化窒素)
・SO2(二酸化硫黄)
・CO(一酸化炭素)
が計測されています。

変換式を用いて、最も高い成分についてAQI(指数)を算出しているようです。


なぜ、こういうことをチェックしているのかというと、住宅に限らずですが、室内に取り込む空気をどの程度フィルタリングする必要があるのか?ということを見極めたいからです。

こちらは我が家の給気口に設置したPM4.0以上を捕集できるフィルターです。1ヶ月ぐらい設置するとこんな感じです。結構汚れているでしょう?
練馬区周辺が、比較的清浄な空気であっても、この程度は普通に汚れているわけです。

エアコン側にはPM1.0を捕集できる高性能フィルターを設置しています。

ちなみにPM4.0というのは花粉やカビ胞子のサイズです。家に最初に取り込むフィルターで濾過します。次にエアコンにつけたフィルターでPM1.0 つまり黄砂や工場の粉塵などの微粒子を捕集します。

エアコンは基本的に24時間回していますので、しっかり微粒子を捕集できます。
また、モーターに多少負荷がかかりますが、エアコン内部が汚れにくくなります。

(2025年1月24日16:30)
こんな具合に、温湿度だけでなく、室内の環境を7箇所で測定しています。
この日の外気PM1.0は高めですが、室内のPM1.0はある程度捕集されていますね。

フィルターがあれば、空気の汚れ(微粒子)は濾し取れますが、圧損を招きます。ホコリは時間とともに溜まって、圧損が増大していきます。
だからといってフィルターを無くせば、微粒子を招き入れることになります。

、、、ですので、この辺のバランスを踏まえつつ、フィルターの性能をうまく組み合わせた空調・換気計画が必要なんですね。

やっぱりきれいな空気が良いです!

■おまけ

ちなみに最高性能のPM1.0を捕集できるフィルターでもウイルスまでは捕集できません。
ウイルスはPM0.03~0.2ぐらいだからです。
ウイルスはそのぐらい小さいのですね。
電子式集塵フィルタならウイルスが捕集できる商品もあります。)

じゃあ、通常の高性能フィルターはウイルスは阻止できないの?ってなりますが、
ウイルスを室内で活性化させなければ良いのです。このへんは別稿にて。