パース
アキム株式会社(AKIM)さんは、スマホなどに組み込むカメラモジュール、水晶デバイスやセンサーを大量生産する、精密機械を設計製造されている企業です。埼玉県の東松山市の工場から、世界中の企業に納品されていらっしゃいます。皆様のスマホやデジカメの中にもアキムさんの機械で作った部品が組み込まれている可能性が高いです。
本社屋新築計画は3年がかりのプロジェクトとなり、2018年8月に竣工しました。
半年の間、社長やスタッフの方達と議論しながら細部を詰めていきました。本稿は、その段階でできたパースなのですが、これによって細部のイメージ共有がうまく進みました。
アキムさんではソフトテニスの社会人チームを抱えており、全国大会でも上位に食い込む実力派です。敷地の広さを活かして2面のコートと研修センターを設置しました。一日の業務が終わった人から練習を始めます。
10,000㎡の特殊な形の敷地内に、各要素をどのように散りばめるか、長期的な使い勝手や維持方法を粘り強く検討しました。並行して外部からの見え方や、内部の使い勝手に至るまであらゆるところに気を配りました。
スケッチ
ちなみに当初は守衛所の設置は予定していなかったのですが、あったほうが良いとご進言し、素朴ですがイメージ図をつくりました。
■模型
2m角ぐらいのパネルを現場に用意して頂き、現場事務所に巨大な模型を設置しました。これでも1/100模型ですが敷地の1辺が150mあるので必然的にそういう大きさになります。
作り込んだ模型ではないのですが、施主を交えての定例に使うためでもあり、現場管督と職人さんたちが担当範囲や工程を確認するのに活用していただきました。図面だけでは伝わらないことも多いだろうと判断したので作ったのですが、設計の細かな意図を現場と打ち合わせする際にも大活躍した模型です。現場終盤では砂埃にまみれてボロボロになりました。でも作ってよかったなと思っています。
周囲は透明の塩ビ板をフェンスがわりに立て、敷地の内外からの高さ関係をチェックしました。施主と設計者、そして現場との情報共有や合意がスムーズになりました。また、3Dソフトも活用し、細かな地形を再現しつつ、ブロック数量を拾って積算に活用しました。
CG,Photo:Rio Kurosawa
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